🌕 月に行った人って、実はそんなに多くない?

「人類が月に行った」と聞くと、多くの人が月を歩いたようなイメージを持つかもしれません。
でも実は、月の地表に立った人は、たったの12人しかいないんです。
その全員が、1969年から1972年までに実施されたアポロ計画によって月に降り立ちました。
それ以降、50年以上ものあいだ、人類は誰も月に行っていません。
この記事では、アポロ計画の背景や、なぜ人類が月から遠ざかったのか、そして今再び注目されている月探査の動きについて、やさしく解説していきます。
🚀 アポロ計画ってどんなミッション?

アポロ計画は、アメリカのNASA(航空宇宙局)が1960年代後半から1970年代初めにかけて進めた、人類初の月面着陸プロジェクトです。
当時は、アメリカとソ連(現在のロシア)による宇宙開発競争が激化していた時代。
どちらが先に月に到達するかが、国の威信をかけた大きなテーマでした。
そして1969年、アポロ11号のミッションで、人類はついに月面に到達します。
月に降り立ったのはニール・アームストロングとバズ・オルドリンの2人。
アームストロングの言葉「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」は、今でも歴史的名言として語り継がれています。
その後、アポロ計画はアポロ17号まで続き、6回の月面着陸に成功。
この間に12人の宇宙飛行士が月面を歩き、月の石やデータを地球に持ち帰りました。
これらの成果は、月の研究に役立っただけでなく、気象予測や通信技術、素材開発など、私たちの暮らしの中にも活かされているんです。
⚠️ 月に行けなかったアポロもある

すべてのアポロ計画が成功したわけではありません。
たとえば、アポロ13号では、宇宙船の酸素タンクが爆発するという深刻なトラブルが発生。
月面着陸は断念しましたが、冷静な判断と地上との連携によって宇宙飛行士たちは無事に地球へ帰還しました。
この出来事はのちに映画化され、「失敗の中の成功」として有名になりました。
さらに、アポロ1号では地上試験中に火災が起き、3人の宇宙飛行士が命を落とすという悲しい事故もありました。
この事故をきっかけに、NASAは宇宙開発における安全対策の強化を進めることになります。
アポロ計画の成功の裏には、こうした多くの困難と学びがあったのです。
💸 なぜその後、人類は月に行かなくなったの?

アポロ計画の成功にもかかわらず、1970年代以降、人類は月から遠ざかることになります。
その大きな理由のひとつが費用の問題です。
アポロ1回のミッションには、今の日本円で数千億円という莫大な費用がかかっていたと言われています。
また、当時の最大の目的だった「ソ連との競争」も、アメリカの月面着陸成功で一区切りつき、政治的な関心が薄れていきました。
その結果、1972年のアポロ17号を最後に、人類の月探査は一時的にストップ。
「次は火星だ」という意見も出て、宇宙探査の焦点は月から別の惑星へと移っていったのです。
🌟 でも月への挑戦は、まだ終わっていない

現在、世界中で月への再挑戦が進んでいます。
アメリカのNASAは、アルテミス計画という新たな月面探査プロジェクトをスタート。
2020年代中に再び人類を月へ送り、今度は長期滞在ができる拠点の建設をめざしています。
日本やヨーロッパ、中国、インドなども月探査に積極的に取り組んでおり、
次に月に立つ宇宙飛行士はアメリカ人とは限らない未来が見えてきました。
また、初の女性宇宙飛行士が月に立つことも期待されていて、多様な人材が活躍する時代が始まろうとしています。
🔭 月に行った人は少ないけれど、歴史は続いている

これまでに月に立ったのはたった12人。
すべてが1969〜1972年のアポロ計画によるもので、それ以降は50年以上にわたり、誰も月を歩いていません。
でもその一歩一歩が、人類の宇宙開発の原点でした。
そして今、新しい挑戦が始まろうとしています。
次に月に立つのは誰か? どんな国の人が、どんな言葉を残すのか?
50年前と同じように、世界中がその瞬間を見つめる日が近づいているのです。
宇宙動画はRiddScope公式チャンネルで公開中!
📚 月について、もっと深く知りたい方へ
神話・科学・文化にわたって、月の不思議を美しいビジュアルとともに楽しめる一冊です。
宇宙に興味を持ち始めた中学生から、大人の読み物としてもおすすめです。
![物語のある月の図鑑 [ペズル]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/4255/9784866734255_1_2.jpg)
物語のある月の図鑑[ペズル]
コメント